お知らせ
いびき・歯科からのアプローチ
歯科医院で、いびき防止装置と称して作製してもらう患者さんが見受けられます。しかしながら、安易に作製することは効果がないばかりか、睡眠時無呼吸症候群という寿命にかかわる病気を放置することとなり、われわれ歯科医師には慎重な対応が求められます。
睡眠時無呼吸症候群は、合併症として、多血症・高血圧・糖尿病・不整脈・虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)・脳血管障害や突然死が挙げられており、寿命に関わる重大な病気と考えてよいでしょう。さらに、昼間の眠気から居眠り運転を起こし、人命が失われた事故が大々的にマスコミに取り上げられたことを記憶している方も少なくないと思います。
この睡眠時無呼吸症候群に対して、近年歯科でのアプローチとしてスリープ・スプリントなるものが作製される方が見られます。実際に私自身も作製経験がございます。当院におけるスリープ・スプリントの作製の特徴は、まず睡眠障害の専門医に依頼状をもっていってもらい、PSG(ポリソムノグラフィ)により精密検査を受けていただきます。単なるいびきなのか、睡眠時無呼吸症候群なのかまず判別する必要があると考えます。睡眠障害の専門医が主事でわれわれ歯科医師は、スリープ・スプリント作製を依頼されたら、後方支援としてスリープ・スプリントを健康保険で装着することとなります。なお。当院では、スリープ・スプリント作製後、再度睡眠障害の主治医に装置の効果判定をお願いすることにしております。
睡眠時無呼吸症候群の症状は、起床時の頭痛・夜間の頻尿・昼間の眠気・性欲低下・寝ている時に息が止まることに家族が気付くなどです。